犬と食べ物について考えてみた:玉ねぎ【あぐコラム】
★1 玉ねぎがダメな理由
犬にとって玉ねぎは加熱調理してあっても毒であることに変わりはありませんので覚えておきましょう。例えば、固形の玉ねぎだけではなく、玉ねぎを煮込んだ後に取り出したとしても、玉ねぎの成分がスープ等に染み出ている可能性があるため、NGとなります。
まず、玉ねぎには有機チオ硫酸化合物という犬にとっての中毒物質が含まれています。犬はこの物質を消化する酵素をもっていないので、犬が食べてはいけない食材なのです。玉ねぎに含まれる成分アリルプロピルジスルフィドが、赤血球の溶解・貧血を引き起こし、玉ねぎ中毒となります。最悪の場合死に至ることもあるので十分に注意しなくてはいけません。アリルプロピルジスルフィドは玉ねぎを含むネギ類(長ネギ、青ネギ、ニラ、ニンニク、らっきょう、わけぎ、あさつきなど)に含まれています。いわゆるこれがネギ類独特の匂いの元となる物質です。
★2 中毒になる量について
一般的には犬の体重1kgあたり玉ねぎ5gで体調不良が起こり
体重1kgあたり15~20gを摂取してしまうと中毒量に値すると言われています。
通常サイズの玉ねぎの可食部は1個あたり約213g程です。3kg程度の小型犬であれば4分の1程度食べてしまうと中毒量に値するということです。
愛犬が中毒を起こすリスクがある限り玉ねぎを与えない方が安全であると考えるようにしましょう。
★3 食べてしまった時の観察・対応
もしも愛犬が玉ねぎを食べてしまったことが分かっている場合は、症状が出る前に病院に連れて行くのが安全です。
すぐに症状が出る場合もあれば、数時間や数日経ってから症状が出る場合もあります
もし以下の症状がある場合は玉ねぎを食べていないかを振り返ることも必要かもしれません。
☆初期症状
- 元気がない
- 下痢、嘔吐
- 発熱
☆重症化すれば
- 痙攣・震え、
- 貧血
- 血尿、血便、
- 吐血
などの症状があらわれます。
重症化する前に必ず病院で受診してください。
また重症化し血尿や血便が出る場合があるときは、血便・血尿などの排泄物を病院に行く際に忘れずに持っていき先生に診てもらいましょう。いつ、どのくらいの量食べたのかをきちんと伝えましょう。
治療方法は利尿剤やビタミン剤の使用、重症度によっては輸血が必要になります。
慌てて自己判断で処置をせず、速やかに動物病院へ連れて行きましょう。
生だけでなく加熱調理された玉ねぎも同様に危険があり、ハンバーグやコロッケ、ピザなどに少量含まれているものでも注意しましょう。また、すきやきやみそ汁なども玉ねぎのエキスが溶け出しているので与えてはいけません。
さらに、玉ねぎを慢性的に摂取していると、将来的に貧血を引き起こしたり、腎機能を低下させてしまう可能性が極めて高い事が分かっています。
犬にとって玉ねぎは本当に怖い食べ物ですね。気を付けなくてはいけないのは玉ねぎが入った料理の盗み食いや食べこぼしです。気づかないうちに犬が食べてしまい症状が悪化してしまう可能性があります。「料理に玉ねぎを使用しない」等と決めて、食材の工夫をすれば安心して楽しい時間を過ごせるでしょう。
犬を毒から守れるのは飼い主しかいません。玉ねぎの取扱には十分に注意をはらいましょう。
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